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詩

明日死ぬとしても

明日死ぬとしても
俺は今日死ぬだろう
テキサスホーデムで
二枚のカードが配られ
その組み合わせに心踊る
天井の低い部屋にいつまでもいれば
想像力は限定されていくもの
カタツムリは一見止まっている
誰でもいい誰かがそこにいて
愛を語ることも
幸せを確かめることも
ボードに置かれる新たなカードに絡まって
それなりの物語に収束されてゆく
雨に濡れながら帰るのが好きさ
娘を雨に濡らしたら大笑いしてた
風呂場に降らせた雨が外にもあったんだ
抱きしめると大概
人は温かいものさ

二〇一七年一〇月二三日(月)

明日死ぬとしても

明日死ぬとしても
俺は今日死ぬだろう
テキサスホーデムで
二枚のカードが配られ
その組み合わせに心踊る
天井の低い部屋にいつまでもいれば
想像力は限定されていくもの
カタツムリは一見止まっている
誰でもいい誰かがそこにいて
愛を語ることも
幸せを確かめることも
ボードに置かれる新たなカードに絡まって
それなりの物語に収束されてゆく
雨に濡れながら帰るのが好きさ
娘を雨に濡らしたら大笑いしてた
風呂場に降らせた雨が外にもあったんだ
抱きしめると大概
人は温かいものさ

二〇一七年一〇月二三日(月)

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寫眞

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雑記

落ち葉

 帰宅したフラットのエントランスに落ち葉が雨で濡れて一面だった。もうそこに秋が来ているのだな、というか、もはやそれは冬の様相だったことを後で思い起こすのだが、あの時遭遇したのはまぎれもない秋で、秋はなんというか出会うものだなと感じていて、それが意味することは、秋とは自覚のことなのかもしれない。基本的には夏が好きだが、春と秋も好きだ。一番好きな季節は五月で、五月はもう春ではないし、梅雨前だとすると五月に季節はない。きっと俺が遭遇した秋は、冬になる前の名付け得ぬ季節だったはずで、雨に濡れた落ち葉には功罪があり、なぜ功罪と思うかと言えば、全くあの瞬間を責める気になれないからだ。季節の移り変わりを未だに信じきれていない節があり、それは正しいことだと四十になり迎える霜月の終わりに思う。

落ち葉

 帰宅したフラットのエントランスに落ち葉が雨で濡れて一面だった。もうそこに秋が来ているのだな、というか、もはやそれは冬の様相だったことを後で思い起こすのだが、あの時遭遇したのはまぎれもない秋で、秋はなんというか出会うものだなと感じていて、それが意味することは、秋とは自覚のことなのかもしれない。基本的には夏が好きだが、春と秋も好きだ。一番好きな季節は五月で、五月はもう春ではないし、梅雨前だとすると五月に季節はない。きっと俺が遭遇した秋は、冬になる前の名付け得ぬ季節だったはずで、雨に濡れた落ち葉には功罪があり、なぜ功罪と思うかと言えば、全くあの瞬間を責める気になれないからだ。季節の移り変わりを未だに信じきれていない節があり、それは正しいことだと四十になり迎える霜月の終わりに思う。

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プロフィール

撮影/佐内正史

御徒町凧 
おかちまちかいと

1977年東京生まれ 詩人。

2006年第一詩集『人間ごっこ』を刊行。
以後の詩集として『いつも、ミシン』(07年)『人に優しく』(09年)『朗読会の記録(一)家具』(10年)『朗読会の記録(二)道路』(10年)『朗読会の記録(三)空気』(11年)『砂の言葉』(16年)がある。
また、森山直太朗の楽曲共作者としてほぼすべての作品の作詞を手がけ、2008年「生きてることが辛いなら」で「第50回日本レコード大賞作詞賞」を受賞。
演出家としても森山直太朗のライブステージの構成・演出を担当する他、2006年には「カイトボックス」名義で演劇舞台『なにげないもの』、森山直太朗劇場公演作品として2005年に『森の人』、2012年に『とある物語』、2017年に『あの城』を作・演出。
2009年には劇場映画『真幸くあらば』で監督を務め、同作は第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門にノミネートされた。

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