二〇二三年〇六月〇八日(木)
祭でもらったメダカを
一日中眺めてた
汚れた水槽を舐めるように
そいつは忙しなく
カルキの匂いがキツくて
頭がぼんやりする
腹が減ってるのかどうかも
本当は分からない
うっすらと生えた苔に
心は持ってかれて
悩める喜びに酔う
それでよかったはずなのに
透明な壁の向こうは
空っぽの陸地
二〇二三年〇六月〇八日(木)
住んでいるマンションの植栽があるということで、朝から車の移動を管理人さんに頼まれた。我が家は、良く言えばビンテージマンション、悪く言えば築60年のオンボロアパート。リビングから見える借景が、都内とは思えないほど「こんもり」していたことと、最も仲の良いトパパママ友が住んでいるというのが決め手となり、もう一昨年になるのかな、に引越してきた。で、家に帰ってみたら、ベランダから見える木々たちが散髪明けの小学生みたいにさっぱりしていて残念な塩梅。目の前の紅葉に至っては枝がベランダに侵入してきていて「これなら観葉植物要らず!」と喜び勇んでいたのに、あえなく伐採。よく見えるようになった空と引き換えに、向かいのマンションの壁と窓の情報の方が強まって残念。ほっぽっといたらそのうち手に負えなくなるんだろうから仕方ないのかもしれないけど、あーあ前の方が良かったな。間違いなく木々もそう思ってる(はず)。てか、リアルに、こっちの方が良いって思う人って存在するのだろうか。いるんだろうな。虫とか鳥が減ったとか言って。
住んでいるマンションの植栽があるということで、朝から車の移動を管理人さんに頼まれた。我が家は、良く言えばビンテージマンション、悪く言えば築60年のオンボロアパート。リビングから見える借景が、都内とは思えないほど「こんもり」していたことと、最も仲の良いトパパママ友が住んでいるというのが決め手となり、もう一昨年になるのかな、に引越してきた。で、家に帰ってみたら、ベランダから見える木々たちが散髪明けの小学生みたいにさっぱりしていて残念な塩梅。目の前の紅葉に至っては枝がベランダに侵入してきていて「これなら観葉植物要らず!」と喜び勇んでいたのに、あえなく伐採。よく見えるようになった空と引き換えに、向かいのマンションの壁と窓の情報の方が強まって残念。ほっぽっといたらそのうち手に負えなくなるんだろうから仕方ないのかもしれないけど、あーあ前の方が良かったな。間違いなく木々もそう思ってる(はず)。てか、リアルに、こっちの方が良いって思う人って存在するのだろうか。いるんだろうな。虫とか鳥が減ったとか言って。
1977年東京生まれ 詩人。