夢の中から百万匹の羊が逃げだしてきて
ぼくの肛門は紙粘土のように固まり
のぼせた体から汗がほとばしる
さっきまで聞こえていた音楽が
沈黙の中から逆に聞こえてきて
重ねた唇の粘着質は奪われる
充電式の電化製品は自分の意志で歩きだし
キッチンの野菜たちはサラダになることを主張する
ぼくはもう旅に出るからとすべてを片付けようとして
荷造りのトランクに自分自身を詰めてしまう体たらく
乗り遅れた電車を見送るペンギンよ
過去の言葉が語りかけてくる夜更け
いつまでそうして待ち続けているつもりなのか
疑いはやがて問い掛けへと変わる
魔法が解ける時
それは現実が目を覚ます時
いつまで待ち続けているのか
疑いはやがて問いへと変わる