五線譜の上を
目が泳いでいる
土の中の宝石を探し当てた
六ツ目の怪人の踊り
花が開く頃にはもう
エンドロールが流れ出し
誰も席を立たないのは
一様に足が痺れたせいで
帰り路のガードレールが
名札を忘れた小学生を誘う
裏山にちょうどいい穴があったから
体を捨てることにした
回覧板を飛ばされて
今在る服を着続けようと決意する
インロックした心に戻れずに
裸足で歩き回るのもいいだろう
死者の眠る公衆便所で
したくもない排泄をくり返す
〝あきらめ〟を知らない廃屋に火花が散って
今宵
毛羽立った毛布に感謝を