足下に転がる石
それは転がっているわけではなく
だから私は蹴り上げる
かといって蹴られた石は
地面をカツカツと這うだけ
三十年来の仲間たちから
娘の誕生祝いに白樺の木をもらい
久々に過ごした地元の夢に
結局あまり描くことのない
絵画道具を押しやる
疲れるほど笑った一日の最後を
寝付きの悪い娘と過ごし
父親の言葉で
変わらぬオリオンの均衡を見上げる
そこに位置する石は
転がっているのか
動きだす足の前に
考える私は
私で有り得たのだろうか
〜夜風に結ぶ〜
いつか娘と
白樺の庭で
シャボン玉をしよう