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詩

幸せな牛

お尻にまとわりつく蝿を

惰性の尻尾で払い除け

食べたい時に食べ

眠りたい時に眠る

狭い厩舎の中でさえ

無辺大の草原に変えた

彼には卓越した想像力があり

添い遂げる相手も自由に選択できた

遠く聴こえるマービンゲイを

いつのまに口遊み

はち切れそうな腹部を

他人事のようにぶら下げている

その気になれば二足歩行で

あの柵を越えることもできたが

いつまでもここにいてほしいと

仲間たちの物言わぬ温もりが

心の深い所で告げている

時折無性に喉が乾いて

大量の虫が身体中を覆ったが

幸せという鎖が

細くなった角を繋いでいた

記憶を頼りにモーと鳴こうしたら

咽せるような咳が出るだけで

心地よい眠りにまた身を任せた

二〇一九年一二月〇二日(月)

幸せな牛

お尻にまとわりつく蝿を

惰性の尻尾で払い除け

食べたい時に食べ

眠りたい時に眠る

狭い厩舎の中でさえ

無辺大の草原に変えた

彼には卓越した想像力があり

添い遂げる相手も自由に選択できた

遠く聴こえるマービンゲイを

いつのまに口遊み

はち切れそうな腹部を

他人事のようにぶら下げている

その気になれば二足歩行で

あの柵を越えることもできたが

いつまでもここにいてほしいと

仲間たちの物言わぬ温もりが

心の深い所で告げている

時折無性に喉が乾いて

大量の虫が身体中を覆ったが

幸せという鎖が

細くなった角を繋いでいた

記憶を頼りにモーと鳴こうしたら

咽せるような咳が出るだけで

心地よい眠りにまた身を任せた

二〇一九年一二月〇二日(月)

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