朝だと思っていたら
もう夜だった
今日だと思っていたら
明日だった
正解だと思っていたら
誤りだった
チクワだと思っていたら
チクワブだった
黄色い雲の下のらへんの
交差点を左に曲がった
茶色い屋根の壁の逆側の
三段目の鉢植えを除けた辺りに
忘れ物をしてきてしまった
ある朝に生まれた
一編の詩
改行に感情が潜み
沈黙に反抗が
テンテンテン
しなければよかったと
語る言葉のモンシロチョウ
変換の悪夢
チクワだと思ったら
チクワなんだよ本当は
この先の無限を愉しむ
息をするのも憚られる
それでもピーナッツの皮をむき
食べる時は無言
人はそれぞれの
温もりを抱き眠る