レーズンパンを頬張りながら
少しだけ遅く歩く
解けそうな靴紐も
気にせず
もう少し
もっと少しゆっくり歩く
今まで覚えたことは
街頭のゴミ箱に捨てる
ショーウィンドーに映る
姿勢を気にすれば
口内に甘さが広がる
草原を思えば
風の気持ちも分かるってもんさ
君が君を受け入れたように
僕は僕を手放しただけのこと
明日が明日であることの限界を
みんな薄々気づき始めている
俺の詩に筆圧はいらない
静止した宇宙の断片を
キーホルダーに格上げして
それでも尚
ゆっくり歩く
立ち止まった場所に君はいる
眠る場所を求めて人は歩く
太陽から逃れるように
眠る場所を求めて