御徒町凧 OFFICIAL SITE

御徒町凧 OFFICIAL SITE

詩

これまで書き損じた言葉が

まとめて一つの光となって

薄暗い夜の向こうに灯る

救急車のサイレンに目を細め

徐に君は立ち上がる

煤で汚れたウッドデッキ

年齢を尋ねられれば

力なく微笑んだだろう

小さな舟に手ぶらで乗り込めば

そこからはなんだって見通すことができた

言い争っているようで表情を気にしている

頼りない櫂でもないよりはましさ

今際の際に君は悟るだろう

あれは君自身の鼻歌だった

二〇一九年一〇月〇四日(金)

これまで書き損じた言葉が

まとめて一つの光となって

薄暗い夜の向こうに灯る

救急車のサイレンに目を細め

徐に君は立ち上がる

煤で汚れたウッドデッキ

年齢を尋ねられれば

力なく微笑んだだろう

小さな舟に手ぶらで乗り込めば

そこからはなんだって見通すことができた

言い争っているようで表情を気にしている

頼りない櫂でもないよりはましさ

今際の際に君は悟るだろう

あれは君自身の鼻歌だった

二〇一九年一〇月〇四日(金)

アーカイブ