影が全方向に伸びている
予報通りに降る雨を
君はどうやってやり過ごすつもりだい
意味を剥がされた言葉を握りしめて
硬く閉ざされたシャッターの前に立つ
虫の進化に体温を合わせて
不規則に回る動物たちのパレード
強肉弱食の狼煙の下に集まった
ガイドブックを持たない旅団に紛れ込み
カスカスになった声音で
何を語ればよかったのか
地平線をナイフで切り裂いて
柔らかく固まるヤカンを見ている
君の横顔が沈黙を引き立てる
死んだフリしてたらみんな帰っちゃた
弁当箱の上蓋にメタファーがべったり
皿に残った冬のラビオリを
食べたのは僕じゃなくて
君だった気がするよ