なくなった珈琲の粉に
新しい物を継ぎ足して
大晦日ブレンドの出来上がり
どうせ牛乳と砂糖で割るから
味の違いは私の舌に遠い
沸かないケトルを見つめ
人生の残りの時間について
やはり考えてしまうのだ
たまたま見たYouTubeで
死はセックスの200倍の快楽だとか
敬愛する作家が死にかけて死を受け入れたとか
さて、これといって思い残すこともなくなったので
私は死ぬまでの時を見つめる
たまたま見たテレビで
スマップの中井君が山口もえに
人生で何をしてる時が一番楽しい(幸せ?)かというと問いに
「役満」と答えていて得心する
と、ここで
詩はいったん途切れるのである
文字は落ちるのではなく
叩かれて生まれている(善し悪しではなく事実として)
思い出しながら再構築する言葉は
もはや詩ではなかった
・・・