ひねった蛇口から
水が落ちてゆく
よく見ると水は
小さな粒で
粒そのものは
落ちてなどいない
雲が流れている
さっきまであった空に
星が並び
唇が乾いてゆく
手を握ると
数本の指が触れ合う
形がぼくの心を諌めた
争いの歴史から放たれて
骨と石で何を作ろうか
自らの体温であたたかい布団から抜け出せずに
抱きしめる君に伝えたいことなど何もなかった