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詩

ヨーテルマールの虚ろな横顔を見ていたら

ヨーテルマールの虚ろな横顔を見ていたら、なにを考えているのかがなんとなく分かった。きっとヨーテルマールはぼくと最後の休みに行った河原でのことを思い出そうとしているのだけど、それをどんなふうに紙に描けばいいのか分からなくなって、考えているうちに課題のことを忘れて、あの日の情景の中でまた水切りでもしているのだろう。ヨーテルマールの思考の軽やかさにはいつも驚かされるのだけれど、こうして自分がその範疇にいない時には意外なほど彼の思考は分かりやすく伝わってくるものだなぁと思ったけれど、実際に彼が今考えていることをぼくは絶対に知ることができないのだから、このことの真偽を確かめることは誰にもできるはずもなくて、その前提でぼくの思考はあらゆるものから自由であり、と同時にヨーテルマールの思考も自由なのだと思った。

今日、メンペイムが遅れて教室に入ってきたのは、職員室でモーメル先生と何かしらの話があったのだろうけど、その話は教室で話せるようなことでもなく、ましてや、メンペイムが自発的に朝早く先生を訪ねることをしない限りあまり考えづらい状況だから、きっと、それなりに深刻な話がなされたのだろう。メンペイムは配られた紙を四等分して、その右上の四角に細々とした文字を書いているようだけど、なんとなくその後ろ姿は頼りなく、書かれている文字はいつものメンペイムのような溌剌さを感じさせない内容なのではないかと、ぼくは勝手に心配していて、心配とはいつも勝手にされるものなんだなぁと実感していた。

椅子を斜めにして後ろ側に体重をのせながら、ガシュットントは背中を壁にあてて外を見ている。いつのまにか何かを描いてしまっているようだったけど、紙を裏にするでもなく、続きを描こうとするでもないその感じがなんだか神々しくて思わずニヤけたら、その瞬間に目が合ってガシュットントは少しだけ目を見開いたけど、ぼくは特に意味もなく首を傾げた。

二〇〇九年〇五月一四日(木)

ヨーテルマールの虚ろな横顔を見ていたら

ヨーテルマールの虚ろな横顔を見ていたら、なにを考えているのかがなんとなく分かった。きっとヨーテルマールはぼくと最後の休みに行った河原でのことを思い出そうとしているのだけど、それをどんなふうに紙に描けばいいのか分からなくなって、考えているうちに課題のことを忘れて、あの日の情景の中でまた水切りでもしているのだろう。ヨーテルマールの思考の軽やかさにはいつも驚かされるのだけれど、こうして自分がその範疇にいない時には意外なほど彼の思考は分かりやすく伝わってくるものだなぁと思ったけれど、実際に彼が今考えていることをぼくは絶対に知ることができないのだから、このことの真偽を確かめることは誰にもできるはずもなくて、その前提でぼくの思考はあらゆるものから自由であり、と同時にヨーテルマールの思考も自由なのだと思った。

今日、メンペイムが遅れて教室に入ってきたのは、職員室でモーメル先生と何かしらの話があったのだろうけど、その話は教室で話せるようなことでもなく、ましてや、メンペイムが自発的に朝早く先生を訪ねることをしない限りあまり考えづらい状況だから、きっと、それなりに深刻な話がなされたのだろう。メンペイムは配られた紙を四等分して、その右上の四角に細々とした文字を書いているようだけど、なんとなくその後ろ姿は頼りなく、書かれている文字はいつものメンペイムのような溌剌さを感じさせない内容なのではないかと、ぼくは勝手に心配していて、心配とはいつも勝手にされるものなんだなぁと実感していた。

椅子を斜めにして後ろ側に体重をのせながら、ガシュットントは背中を壁にあてて外を見ている。いつのまにか何かを描いてしまっているようだったけど、紙を裏にするでもなく、続きを描こうとするでもないその感じがなんだか神々しくて思わずニヤけたら、その瞬間に目が合ってガシュットントは少しだけ目を見開いたけど、ぼくは特に意味もなく首を傾げた。

二〇〇九年〇五月一四日(木)

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