御徒町凧 OFFICIAL SITE

御徒町凧 OFFICIAL SITE

詩

大いなる平日

ルービックキューブのそれぞれの面に散らばった色が

部屋の片隅でこの世の行く末を憂いている

暦の上では今日がクリスマスだということだが

薄桃色の夕暮れにはなにも記されていない



駅前はそれなりに慌ただしく

素っ頓狂なBGMが通行人のイヤフォンから溢れてくる

去年札幌で買った手袋がダウンのポケットにあって

冷たくなった指先を慰めるように柔らかい



日記でも書くように詩をスケッチブックに探してみると

無表情に並べられた日々の営みが

区切られた時制からあらゆる言葉を遠ざけてしまう



目に見えないものを信じる必要なんてそもそもなかったのだ

「分からない」と言いかけて再び訪れる沈黙

しばらく閉じてあった本をどうして今手に取ったのだろう

二〇一九年一二月二五日(水)

大いなる平日

ルービックキューブのそれぞれの面に散らばった色が

部屋の片隅でこの世の行く末を憂いている

暦の上では今日がクリスマスだということだが

薄桃色の夕暮れにはなにも記されていない



駅前はそれなりに慌ただしく

素っ頓狂なBGMが通行人のイヤフォンから溢れてくる

去年札幌で買った手袋がダウンのポケットにあって

冷たくなった指先を慰めるように柔らかい



日記でも書くように詩をスケッチブックに探してみると

無表情に並べられた日々の営みが

区切られた時制からあらゆる言葉を遠ざけてしまう



目に見えないものを信じる必要なんてそもそもなかったのだ

「分からない」と言いかけて再び訪れる沈黙

しばらく閉じてあった本をどうして今手に取ったのだろう

二〇一九年一二月二五日(水)

アーカイブ