水面が眩しいのは言葉のせい
夜が来るのは朝のせい
港に大小様々な舟があって
木でできた味のあるやつに乗り込む
少し行くとお尻が濡れて
どうやら穴が空いているようだ
争わずにいると舟は沈んで
海の底を歩くことになった
珊瑚や海星が手を振っている
大きな雲かと思えば鯨とジュゴン
落ちていた煙草に火をつけて
煙を辿っていくとそこは空の中
巨大なカモメが背中をくれて
太陽の中に消えていく自分を見ている
ポケットに手を突っ込むと
クロアチアの硬貨に紛れて
詩の舟があった
ミートパイ食べる人
外れた網戸を元に戻して
すべてを引き連れて
もう一度海に出た