僕の右には右がある
僕の左には左がある
君の右には僕の左がある
僕の左には君の右がある
猫の右には猫の右がある
塀の左には塀の左がある
目を閉じたら右も左もなくなった
そもそも猫も塀もそこにはない
本当は左利きだけど
ご飯を食べるのは右手になった
ボーリングもカラオケのマイクも
教わらないものは全部左のまま
首が折れるほど上見たら
空には右も左もなかった
五時のチャイムが聞こえる
昼とも夜ともつかないような日暮れ