波打ち際に漂う
ところどころ穴の空いた
君との思い出
ふいに口をつくメロディーが
サッカーボールの五角形みたいに
回転して灰になる
明日の朝を生きるトカゲが
飛んできた鳶に連れ去られ
名前なんかくれてやると
そこにたまたまいた人の手を握る
雲を見つめるのだ
あきらめに似た強い情熱で
かじかんだ手
もたれるお腹
忘れられた喫茶店の携帯電話
つきなみな感謝に
絡まったリボン