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詩

セジービャの眠りは

セジービャの眠りはもうそれほど浅くはなかったが、起きているということができるような状態ではなく、昨夜にあったイヤなできごとが夢と追想がフィフティーでブレンドされたような生々しさで感じられた。
昨夜、ここ数ヶ月の間、踊りを踊っていたトルタコの店でセジービャは泥酔した客に足を触られてちょっとした諍いになったのだが、セジービャが我慢できなかったのはその酔い客ではなく、仲裁にはいったホールマネージャーの口ぶりで、特に理由も聞かずに、前後のセンテンスは忘れたが「踊り子なんだから」と言い捨てられたことで、別の客の飲みかけのビーアをマネージャーに後ろから引っ掛けたのだった。
セジービャは泣きながら家に帰って来て、先に寝ていたケドマポミオの布団の温もりに潜り込んで、泣きじゃくったまま寝てしまったのだった。
目を覚ましたケドマポミオは特に理由も訊かず、ネコにするみたいにゆっくりと頭をなでながら、「誰かと暮らすとこういうものだ」と夢うつつのなかで思いながら、深い眠りの谷へと落ちていった。
ということもあり、セジービャは、また踊る場所を探さなければならなかった。
ケドマポミオが布団から抜け出た真夜中に、セジービャも同じく目を覚まし涙の理由を話そうとしたけれど、月明かりの中、グラスに注がれた遅いブランデイを飲むケドマポミオに言葉は要らないと思った。
ケドマポミオは海を見ていたが、真夜中の海は真っ暗で、月の光が水面を照らし地平までつづく道のようだった。

二〇〇九年〇四月〇三日(金)

セジービャの眠りは

セジービャの眠りはもうそれほど浅くはなかったが、起きているということができるような状態ではなく、昨夜にあったイヤなできごとが夢と追想がフィフティーでブレンドされたような生々しさで感じられた。
昨夜、ここ数ヶ月の間、踊りを踊っていたトルタコの店でセジービャは泥酔した客に足を触られてちょっとした諍いになったのだが、セジービャが我慢できなかったのはその酔い客ではなく、仲裁にはいったホールマネージャーの口ぶりで、特に理由も聞かずに、前後のセンテンスは忘れたが「踊り子なんだから」と言い捨てられたことで、別の客の飲みかけのビーアをマネージャーに後ろから引っ掛けたのだった。
セジービャは泣きながら家に帰って来て、先に寝ていたケドマポミオの布団の温もりに潜り込んで、泣きじゃくったまま寝てしまったのだった。
目を覚ましたケドマポミオは特に理由も訊かず、ネコにするみたいにゆっくりと頭をなでながら、「誰かと暮らすとこういうものだ」と夢うつつのなかで思いながら、深い眠りの谷へと落ちていった。
ということもあり、セジービャは、また踊る場所を探さなければならなかった。
ケドマポミオが布団から抜け出た真夜中に、セジービャも同じく目を覚まし涙の理由を話そうとしたけれど、月明かりの中、グラスに注がれた遅いブランデイを飲むケドマポミオに言葉は要らないと思った。
ケドマポミオは海を見ていたが、真夜中の海は真っ暗で、月の光が水面を照らし地平までつづく道のようだった。

二〇〇九年〇四月〇三日(金)

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