雑踏の外れで出会った
しおれたタンポポ
君はいつからそこにいて
僕はいつここに来たのか
都会の真ん中に突然
現れた更地
長大な過去と無限の未来を
どんな顔で通り過ぎようか
未知のウイルスと共に
黒い珈琲が運ばれてきて
まさぐったカバンから
書き慣れたペンを見つける
リスのように生きられないものか
地中に埋めたドングリが
束の間だれのものでもなくなって
偶然だけがそれを所有する
しおれたタンポポが
太陽のように咲き誇る草原
描かれたニレの木の梢で
今日二度目のうたた寝をする