開かない踏切の前に立ち
遠くサバンナの風を思う
声の大きさで詩は
その形を変えてしまうから
友達は選ばないといけない
目に見えて絡まった糸を
丁寧にほぐしていたら夕暮れ
金色の野に立つライオンが
一筋の涙をこぼしたようにも見えた
両耳はブルートゥースのイヤホンで塞いだまま
俺の足はペダルと同化している
窓の向こうから時折こぼれてくる声
早まったネオン管の明滅
一人を愛するということに
異論を唱えるつもりはないと
様々な肌の色が交差点で行き交う
日本語のベンチに腰掛けて
地中海、海沿いの街で猫と遊ぶ
メキシコのビール、ヒューストンで一息
「逆から読んでも下北沢」で待ち合わせ
行ったこともない劇場から
かけ間違った電話の折り返し
偽名で活動する俳優
ガムシロップの場所が分からない時のブルース
少しだけ塩で味付けした
焼き魚のシルエットが
いたずらっこの横顔になりました