ぼんやりの内側を
生まれ変わった肉親が
虫の姿で飛ぶ
萎れた果実
思いっきり絞られて
体内が取り込む
太陽の熱が遠のけば
上着を多めに羽織る
ペンを回して
明け方の空を見下ろした
笑い声が数字になる
椅子の上で丸まれば
木から葉っぱが一枚
・・・
鍋の具材が余って
台所に雪が積もる
要約された物語の外に
時間差で轟く
打ち上げ花火の気配
久しぶりの上着のポケットに
アナグラムの半券が
目を凝らすほど
ぼんやりが密度をます