湯船が海へと繋がった
それは夜だったので
指先の太陽が人心地で消える
初めて言葉を口にしてみた時
確かに喜びだったはずなのに
今となっては沈黙に
計り知れない価値がのし掛かる
犬と猫を二十八匹ずつ飼って
さらにたくさん子供産ませたいと
布団の上を転がる娘が夢想する
ドームに描かれて青空を懐かしいと感じ
人通りのなくなった吹き溜りの風
大きく開かれた口から鳩が飛んできてた
そろそろショーが始まります
パチンと鳴らされた指が言う
終幕は得てして唐突なものと