いくつか詩を書いたが
書きかけるとすべて
逃げていってしまった
私の体は
祭壇の上で硬くなる
相対化された時代の中で
私を待つ自転車は
雨に濡れている
よろしい
私も共に濡れよう
今日一日を
半分の梨で過ごした
あと一口のビールと
何かが蠢いているのは分かる
直視すると消えてしまう何か
言葉で構築した部屋の住人
日に日に細胞が土にかえってゆく
意識が軽くなる
瞼が重くなる
静寂
ではなく
空白
色のない空