なまけものが王様になって
なまけものの国を作った
なまけものの国には
世界中のなまけものが集まってきた
朝から晩までゴロゴロ過ごして
夜は我先にとみんな眠った
なまけものはすることがないと
歌や踊りを踊った
なまけものはなまけることに貪欲だった
よく働く者たちもそこにいると
なまけものになってしまった
食べ物もなくなってようやく王様は考えた
どうやったらなまけていられるだろう
そうして十年も経たないうちに
隣の国にほとんどの土地を奪われてしまった
わずかな食料をみんなで分け合って
それでも歌や踊りを踊って暮らした
いつしかなまけものの国はなくなってしまった
今、世界の地図にも歴史にも
なまけものの国は残っていない
一度だけみんなで決めたことがある
愛する王様の像を作ろうしたこと
それがただ一つのなまけものの国の遺跡
そこらへんに落ちている石を
王様の像にしようと約束したのだった