大都会の中頃に
案山子が立っていたので
肩に乗っているカラスに
ようこそと声を預けた
ようこそは片方の目で
俺を睨んでいたのか
慰めていたの
紙袋一つない秋の空に羽ばたいて
メリーポピンズの展開が理想だと
それを一言でカァと表した
絵画の中で生きるってのは
どんな気分だい?
生まれてこのかた
サングラスを外したことがなくてね
鈍らのハサミを手にした
自称フォークシンガー
観念に凝り固まった
葡萄を一房あげたら
信号が青に変わるまで
お前だけのことを思って
歌ってやるよと嘯いた