でがけに妻が
チャーハンを作ってくれた
そこに添えられた一つの唐揚げ
翼をもがれた皿の絵の上
齧るとジュワりと音がして
それはもう油を齧っているような感覚
皿に戻しスプーンで分解すると
鶏肉はほとんどなく油と皮ばかりだった
隣人が0㎝から語りかけてくる
留守を私の留守を頼んだと
経験はすべて幻想である
その一篇が世界を二つに分けた
私の歩む道は
ただ私が歩むだけの道としてある