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詩

そこに住む人々

彼らには同じ皺があった

笑えば目尻が下がり

一人の時は遠くを見つめている

使い古された道具の類がそこかしこに転がっていて

手慰むように皆がそれに触れた

彼らには序列がなかった

あるのはただ複雑化されたいくつかのルール

ネットワークと呼ぶほどのものではなく

子供でも考えつくような太陽と月の因果

森羅万象から洩れたあらゆる葛藤がその場所でのみ展開し

エネルギーだけが無闇に消費された

喜びと怒りは見事に相殺され

なにごともなかったかのようという芝生の上を

一陣の風が吹き抜け回す風車

鳥は神と称され

コーヒーとハイボールで身は清められる

すり減った靴底のゴムは天然樹脂で

歯の間の脂から若葉が芽吹く

季節は小刻みに交換され

天と人と地を際限なく分かつ

時たま届く便りには

「オゲンキデスカ」と文字が踊り

私はダンスホールの隅で膝を抱えていた

あの暗い天井からぶら下がるミラーボールに

拡散された光の粒を顕微鏡に晒し

まず名付けることから始めようと思った

それはある春の細事

二〇一三年〇三月一八日(月)

そこに住む人々

彼らには同じ皺があった

笑えば目尻が下がり

一人の時は遠くを見つめている

使い古された道具の類がそこかしこに転がっていて

手慰むように皆がそれに触れた

彼らには序列がなかった

あるのはただ複雑化されたいくつかのルール

ネットワークと呼ぶほどのものではなく

子供でも考えつくような太陽と月の因果

森羅万象から洩れたあらゆる葛藤がその場所でのみ展開し

エネルギーだけが無闇に消費された

喜びと怒りは見事に相殺され

なにごともなかったかのようという芝生の上を

一陣の風が吹き抜け回す風車

鳥は神と称され

コーヒーとハイボールで身は清められる

すり減った靴底のゴムは天然樹脂で

歯の間の脂から若葉が芽吹く

季節は小刻みに交換され

天と人と地を際限なく分かつ

時たま届く便りには

「オゲンキデスカ」と文字が踊り

私はダンスホールの隅で膝を抱えていた

あの暗い天井からぶら下がるミラーボールに

拡散された光の粒を顕微鏡に晒し

まず名付けることから始めようと思った

それはある春の細事

二〇一三年〇三月一八日(月)

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