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詩

目が覚めると

目が覚めると、いつもと同じ固いベッドの上にいた。枕がうっすらとヨダレで湿っているのが分かり、口元に手の甲をあてると、乾燥した唇の感触だけがぼくのイメージを奪った。

東側の窓はサイズの合っていないカーテンで閉め切られていて、その隙間から白い光が射し込んでいる。枕元のサイドテーブルには読みかけの本と、そこに埋もれるようにして白地に紫色のラインの入ったティッシュケースがある。ダブルベッドの右半分は、ついさっきまで人がいたような気配があるのだけれど、実際そこに人がいたのかどうか思い出せない。

思い出せないのは、今、自分についてのあらゆることについても同様で、このまま本格的に目を覚まし起き上がり、足元の先にある扉を開け、一つずつ世界を認識することが億劫でたまらない。

そうこうしているうちに、また眠気が襲ってくる。襲ってくると言ってみて、それほどの強度ではないことに違和感を感じたけれど、訂正する気にもなれない、というか、そんな迷いをもろとも洗い流すような緩やかな眠気がぼくの踝(くるぶし)の辺りをくすぐる。

ぼくはこのまま、また眠るだろう。

昔聴いていた、コーネリアスのフレーズが意識の奥に微かに残っているような気がした。

二〇〇九年〇二月二七日(金)

目が覚めると

目が覚めると、いつもと同じ固いベッドの上にいた。枕がうっすらとヨダレで湿っているのが分かり、口元に手の甲をあてると、乾燥した唇の感触だけがぼくのイメージを奪った。

東側の窓はサイズの合っていないカーテンで閉め切られていて、その隙間から白い光が射し込んでいる。枕元のサイドテーブルには読みかけの本と、そこに埋もれるようにして白地に紫色のラインの入ったティッシュケースがある。ダブルベッドの右半分は、ついさっきまで人がいたような気配があるのだけれど、実際そこに人がいたのかどうか思い出せない。

思い出せないのは、今、自分についてのあらゆることについても同様で、このまま本格的に目を覚まし起き上がり、足元の先にある扉を開け、一つずつ世界を認識することが億劫でたまらない。

そうこうしているうちに、また眠気が襲ってくる。襲ってくると言ってみて、それほどの強度ではないことに違和感を感じたけれど、訂正する気にもなれない、というか、そんな迷いをもろとも洗い流すような緩やかな眠気がぼくの踝(くるぶし)の辺りをくすぐる。

ぼくはこのまま、また眠るだろう。

昔聴いていた、コーネリアスのフレーズが意識の奥に微かに残っているような気がした。

二〇〇九年〇二月二七日(金)

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