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詩

ひらひらと宙を舞うのは蝶のこと

ひらひらと宙を舞うのは蝶のことだと、頻りに語りかけてくるヨーテルマールは弟の方で、兄のガシュットントはキャラコの配達で朝から出かけてしまっている。
川の流れに平べったい石をサイドスローで投げ込み、水きりって言うんだよとヨーテルマールはぼくに笑顔を見せている。
金色の髪が肩まで伸びていて、まだ六歳の彼が女の子だと言われたら疑うことすらできないだろうと思った。
ヨーテルマールの投げた石は七回水の上で跳ねた。

そろそろ家に帰らないととぼくが言うと、そうだねとヨーテルマールは答えた。
もうそろそろガシュットントも家に帰っている頃だろうと、ヨーテルマールが一瞬のうちに考えたのだろうことをぼくはなにから感じたのだろう。

この町で蝶を見たことは一度もない。

二〇〇九年〇三月〇八日(日)

ひらひらと宙を舞うのは蝶のこと

ひらひらと宙を舞うのは蝶のことだと、頻りに語りかけてくるヨーテルマールは弟の方で、兄のガシュットントはキャラコの配達で朝から出かけてしまっている。
川の流れに平べったい石をサイドスローで投げ込み、水きりって言うんだよとヨーテルマールはぼくに笑顔を見せている。
金色の髪が肩まで伸びていて、まだ六歳の彼が女の子だと言われたら疑うことすらできないだろうと思った。
ヨーテルマールの投げた石は七回水の上で跳ねた。

そろそろ家に帰らないととぼくが言うと、そうだねとヨーテルマールは答えた。
もうそろそろガシュットントも家に帰っている頃だろうと、ヨーテルマールが一瞬のうちに考えたのだろうことをぼくはなにから感じたのだろう。

この町で蝶を見たことは一度もない。

二〇〇九年〇三月〇八日(日)

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