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詩

時間は風に寄り添うようにして

時間は風に寄り添うようにして、ゆるく、確実に流れいた。教室で課題を終えた子供たちが、校庭にちらほらと飛び出してきた。先頭はパトム、その次にニックタック。それからしばらくしてローデンダッチ、ヨーテルマール、ノシュリナと続いた。ガシュットントは、教室の窓枠に、肘を付き、上半身をもたげながら外で遊ぶ連中を目で追っていた。しばらくして、メンペイム、セルマネロと続き、みんながひとしきり、ボール遊びを追えた頃に、ようやくガシュットントもやってきた。校庭と言っても、更地と言ってしまってもいいほどの何もないだけの土地で、子供たちは何もないその広場で、一見、体を使って遊んでいるようなのだが、実際のところは思考を繰り返しながら空間という物との対話をしているのだった。

誰から始めたのか、校庭に大きな顔が描かれようとしていた。適当に遊んでいたら、足跡が顔に見えだしたのだろう。彼らの行動に意味を見いだすことに意義はないかもしれないが、なにか強烈なメッセージが込められているような、あまりにも突飛な行動だった。しかし、ほどなくして、描かれた顔の右頬あたりに、座りこんでしまう。そこで何か話をしているようだ。

話の内容は聞こえない。

風が彼らの上空を吹き抜けている。彼らの意識の中に、風は存在していなかった。

二〇〇九年〇五月二〇日(水)

時間は風に寄り添うようにして

時間は風に寄り添うようにして、ゆるく、確実に流れいた。教室で課題を終えた子供たちが、校庭にちらほらと飛び出してきた。先頭はパトム、その次にニックタック。それからしばらくしてローデンダッチ、ヨーテルマール、ノシュリナと続いた。ガシュットントは、教室の窓枠に、肘を付き、上半身をもたげながら外で遊ぶ連中を目で追っていた。しばらくして、メンペイム、セルマネロと続き、みんながひとしきり、ボール遊びを追えた頃に、ようやくガシュットントもやってきた。校庭と言っても、更地と言ってしまってもいいほどの何もないだけの土地で、子供たちは何もないその広場で、一見、体を使って遊んでいるようなのだが、実際のところは思考を繰り返しながら空間という物との対話をしているのだった。

誰から始めたのか、校庭に大きな顔が描かれようとしていた。適当に遊んでいたら、足跡が顔に見えだしたのだろう。彼らの行動に意味を見いだすことに意義はないかもしれないが、なにか強烈なメッセージが込められているような、あまりにも突飛な行動だった。しかし、ほどなくして、描かれた顔の右頬あたりに、座りこんでしまう。そこで何か話をしているようだ。

話の内容は聞こえない。

風が彼らの上空を吹き抜けている。彼らの意識の中に、風は存在していなかった。

二〇〇九年〇五月二〇日(水)

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