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詩

道玄坂

真夜中の道玄坂を歩いていたら

警察に声をかけられた

自転車の盗難の照合をしたいのだと言う

私の引きずる自転車は

五、六年前に東急ハンズで買った物だった

いいですよと答え名を名乗ると

柔らかい口調ですぐ終わりますからと言った

どうせならもっと頭ごなしに疑えばいいものを

私は明らかに不審者のような足取りで

詩になりそうなものを探していたのだ

手持ち無沙汰にベルを鳴らすと

チリーンチリーンと冷めた音が

どんよりと湿った渋谷の夜を照らした

ああ薄汚れた路地裏の

この饐えた匂いはなんだろう

人は往々にして

捨て去られた記憶の中に生きている

二〇一六年〇九月一二日(月)

道玄坂

真夜中の道玄坂を歩いていたら

警察に声をかけられた

自転車の盗難の照合をしたいのだと言う

私の引きずる自転車は

五、六年前に東急ハンズで買った物だった

いいですよと答え名を名乗ると

柔らかい口調ですぐ終わりますからと言った

どうせならもっと頭ごなしに疑えばいいものを

私は明らかに不審者のような足取りで

詩になりそうなものを探していたのだ

手持ち無沙汰にベルを鳴らすと

チリーンチリーンと冷めた音が

どんよりと湿った渋谷の夜を照らした

ああ薄汚れた路地裏の

この饐えた匂いはなんだろう

人は往々にして

捨て去られた記憶の中に生きている

二〇一六年〇九月一二日(月)

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