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詩

翌朝、母さんの作るスープの匂いで

翌朝、母さんの作るスープの匂いで目を覚ました。
朝起きて、一番始めにすることは昨日見た夢を整理することだ。
温もりが充満したベッドの中でぼくはしばらくの間、なにも考えることをせずに、頭の中にまだ残っている夢の残像を、ていねいにていねいに寄せ集めた。
砂場でよくやった、棒倒しのクライマックスの時みたいに。

夢はいくつかあった。

そのいくつかの夢をまぶたの裏に並べて、ぼくは自分の心と世界の関係を確かめることから朝を始める。
それはきっと父さんの影響で、父さんは昔、起きてからすぐにベッドから出なかった。まだ小さかったぼくは優先して遊んでもらえないことが寂しかったけど、ベッドで目をつむりなにか探しているような父さんの空気に話しかけられなかったし、そこに触れられないなにかがあることは子供のぼくにでさえ分かることだった。

昨日見た夢と言えば、学校に人がたくさん溢れかえってパトムが怒り狂ってる変な話と、ガシュットントと仲直りをすでにしていて、でもまた喧嘩をしてしまう話と、あまり人に言えない少し恥ずかしい話。
あとは思い出せない、物語の断片。

母さんが呼んでいる。もう起きてるよーとぼくは答えて、布団から抜け出すと、まずカーテンを開けた。
眩しくて、目をしっかりとあけられなかったけど、今日がよく晴れた日なのはすぐに分かった。

今日から、新学期で学校がはじまる。

胸の中に、嬉しさとも面倒くささともなんとも言えない、トロッとした感情が染みだしてくるのが分かった。
窓を開けると、すがすがしい匂いが鼻をくすぐって、風が、部屋の中にあった昨日を引きずった空気と、ゆっくり混ざり合っていっくのが分かった。

しばらく窓辺に立って、遠く流れる川の様子に目を奪われていた。

二〇〇九年〇三月一一日(水)

翌朝、母さんの作るスープの匂いで

翌朝、母さんの作るスープの匂いで目を覚ました。
朝起きて、一番始めにすることは昨日見た夢を整理することだ。
温もりが充満したベッドの中でぼくはしばらくの間、なにも考えることをせずに、頭の中にまだ残っている夢の残像を、ていねいにていねいに寄せ集めた。
砂場でよくやった、棒倒しのクライマックスの時みたいに。

夢はいくつかあった。

そのいくつかの夢をまぶたの裏に並べて、ぼくは自分の心と世界の関係を確かめることから朝を始める。
それはきっと父さんの影響で、父さんは昔、起きてからすぐにベッドから出なかった。まだ小さかったぼくは優先して遊んでもらえないことが寂しかったけど、ベッドで目をつむりなにか探しているような父さんの空気に話しかけられなかったし、そこに触れられないなにかがあることは子供のぼくにでさえ分かることだった。

昨日見た夢と言えば、学校に人がたくさん溢れかえってパトムが怒り狂ってる変な話と、ガシュットントと仲直りをすでにしていて、でもまた喧嘩をしてしまう話と、あまり人に言えない少し恥ずかしい話。
あとは思い出せない、物語の断片。

母さんが呼んでいる。もう起きてるよーとぼくは答えて、布団から抜け出すと、まずカーテンを開けた。
眩しくて、目をしっかりとあけられなかったけど、今日がよく晴れた日なのはすぐに分かった。

今日から、新学期で学校がはじまる。

胸の中に、嬉しさとも面倒くささともなんとも言えない、トロッとした感情が染みだしてくるのが分かった。
窓を開けると、すがすがしい匂いが鼻をくすぐって、風が、部屋の中にあった昨日を引きずった空気と、ゆっくり混ざり合っていっくのが分かった。

しばらく窓辺に立って、遠く流れる川の様子に目を奪われていた。

二〇〇九年〇三月一一日(水)

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