昨日、浦河にある大黒座(大正時代からある映画館)の話になって、調べたら森達也監督の「福田村事件」が上映していて、どうせ必ず観るんだしせっかくだからこっちで観ようと、今日の昼の回を目指した。ナビに入れたら思っていたより遠くて、着いたのは上映3分前で、館長さん(おそらく)にタバコ吸う時間ありますか?って聞いたらどうぞゆっくりって言われて、本当にゆっくりタバコを吸って中に入ったら俺一人だった、なるほど。座る場所を入念に選んで、自宅のように寛いで見てたら、入り口で買った大黒座珈琲を館長さんが席まで持ってきてくれた。映画館というより友達の家で映画を見せてもらってるような不思議な感覚。映画は森さんにしてはけっこう珍しい(もしかして初?)の劇映画で、予告編だけは観てたんだけどどんな感じだろう?って気持ちもあったけど、打ちのめされた。嗚咽しながら観た。観終わって、館長さんにさすがに一声掛けよと思って話そうとしたらまた涙がこみ上げてきて館長さんの前でグシャグシャ泣いてしまった。挙げ句ようやく出てきた言葉が「映画って本当にすごいですね」だって。館長さんからしたら相当痛い客だったかもしれないけど感動は伝えられたんじゃないかな。外に出たら夕暮れで、海沿いの映画館が黄昏に包まれていた。この映画館なくならないでほしいな。こっちきた時はできる限り上映作をここで観ようと思った。夜はタイガーでアンドルーとさかずき屋のヒロくんと飲んだ。行ってたまたま会った二人だけど、この界隈切っての通なんじゃないかな。フルスイングで会話ができた。