奈良公演。当初やる予定だった奈良県文化会館の耐震構造の問題が直前に発覚して、さすがにそこではやれないという制作の判断から、奇跡的に同日に空いていた橿原市文化会館でスライドしての公演となった。制作的に変更の対応などで大童だったけど、舞台の内容はそこに引っ張られずに今日にしかできないことに専心する。分かってはいるけど、結構大変なことで、朝、興福寺と春日大社の参拝をして密かに成功を祈願した。一緒にいった大介と直太朗も、小さな話をしながら、確実に今日の舞台への緊張を高めていた感じがした。年が明けて、舞台がある種のまとまりを帯びてきて、それだからこそ超えなければいけない根源的な課題なんかもあり、今回の舞台の構造上、俺はそのことを伝えなければならず、それってけっこう痛みを伴う。直太朗なんかは、たぶん心では分かってはいるけど思考が明らかに俺の言葉を拒絶しているし、そんな時俺は「嫌なら、やらなくていいよ」と伝える。これって拡大していくと生き方の話になっていくことで、演出という仕事にそこまでは組み込まれていないと俺がは考えているからで、直太朗の中にもジレンマはあるんだろうと思う。どこか不服そうな顔をしながらやれるだけやってみると言っている(気がする)。今日は、諸々のトラブルも飲み込んで、確実に一段上がった。それがたまたまにならないように、今日から積み上げなければいけないこともあって。空は青い。帰りの新幹線の温度がやたら高かった。本当にみんなお疲れさま。頑張れ頑張れって、さださん歌ってたな。