教習所のすぐそばにホテルがあり俺たちはそこに泊まった。目の前の温泉がただで利用できて、昨日はそこで夕飯と寝るまでの時間を主に過ごした。また早朝から実技があって、昨日と同じ十五名が教室に集まってくる。面白いもので、二日目ともなると、なんとなく知らない人同士で会話が生まれる。実技はグループ分けがなされ、俺たちの組は八人。その中におそらく顔を見たら誰でも分かるような某有名俳優の方もいて、ずっと気になってるのも変だから「役作りですか?」と話しかけると「いいや、趣味でね」と、自分が誰か分かられていることに一切の外連味を感じさせないリアクションだったことで、いろいろ話せた。最終試験の時もみんなで声を掛け合って、お互いを励まし、注意点を確認しあったりして、ああ、学校みたいなとこって嫌いだけど好きだなぁと感じ入った。実はユンボの操縦って敷地内であれば免許がなくてもできるらしいことを途中で知って、知ってたら来なかった気もしたけれど、今となっては来て良かった。免許を手にした今、とにかくユンボを動かしたくて仕方ない。北海道ではユンボ貸してもらえそうだし、とにかくやりたいことがたくさんあって、うずうず。それこそがここに来た意味なのではないか。免許合宿といえば快(いのっち)とその昔、船舶の合宿免許に参加したことがあって、二十年近く経った今もたまに思い出して笑い合えるほど貴重な経験だった。そういえば今日は快の誕生日だ。今度取ろうと思ってる狩猟免許誘ってみようかな。