人間の森、長崎島原公演。朝早くから電車を乗り継ぎ羽田へ。長崎空港から車で一時間半、歴史的にも有名な島原。途中、ほとんど山と空しかないみたいな景色になっていったけど、着くころには少し開けていた。黄色い単線電車がのどかだった。会場の作りも独特で、天井が低く空間の容積は今ツアーで一番小さかったと思う。これまでの舞台の機構とは違うところも多くて、事前にアニキから色々懸念点を言われていたけど、風情がそれに勝っていた。感覚でいうと本多劇場に近いような客席と舞台が渾然となったような設計。こういう作りの舞台は裸の精神が試される。言うなれば、良いものは良くなるし、ヘボいものはそのままヘボい。つまり誤魔化しが効かない。俺の中で勝算はあったけどこればかりはやってみなければ分からない。おかげさまで1200近いチケットは売り切れて、初めて来る場所特有の歓待ムードから幕は上がった。物理的な距離感の近さを良い方に転化させて、良いライブになった。個人的には新しい景色が開けたところもあって、終演後メンバーたちには伝えた。もっといける。新しい景色が見えたんだから。終盤とある曲の途中で後方のお客さんが一人大きく手を振っていた。島原の気づき。本当にどうもありがとう。You are not alone.