夜中、四十度近い熱が出たのと何も高熱だったから、諦めて緊急病院へ。採血やら点滴やらされてるうちに入院することになった。実際、死ぬほどダルかったから(死んだことないけど)入院は嬉しかったな。タイヤのついたベッドで運ばれながらみた天井の感じはたぶんずっと忘れない。彩香が俺を看取ってくれてるみたいだった。何と俺は違う部屋じゃなきゃダメらしく、結局そのまま有希子も泊まることになる。彩香と有希子が医者とのやりとりとか保険のこととかずっとやってくれているのを、遠くにぼんやり感じながら、四十度の熱にうなされる。そのままどれくらい寝たろうな。わずかな緩解のタイミングで動画を撮るもそれ以外の時間は、正直、指を動かすのも億劫で本当になにもできなかった。体が痛いしダルいしで(それがずっと続くものだから)死んだほうが楽なんじゃないか? って普通に思えて、そう考えると急に本を読んだり、なにか新たな刺激に対しての意欲も減退していく。俺はまだ大人だからある程度の知識で、工夫して乗り越えるイメージは湧くけど、何はかわいそうだな。総じて子供の病気は本当にかわいそうになる。あと、動物の病気も悲しくなる。ただ、ただ、悲しくて、かわいそうだ。それでしかないといえば、単にそれでしかないが、それでしかないという理屈の上にマウントを取った上で悲痛になる。そんなこんなで、一歩も病室を出ることなく一日は暮れていった。