人間の森十日目横浜公演。いわゆるカナケン。実はカナケンってあまり良い思い出がない。というのも、会場の大きさと立地が自分たちに見合っていないのか、あまりいいライブが出来なかった。諸般の条件からツアー序盤で組まれることも多く、脂汗をかきながらステージを見ている記憶が多い。「諸君!!」ツアーの時だったかな、初日に直太朗と大げんかして、もう行くの止めようと思ってたけど、みんなから「とにかく来い」と言われて、行って凄くぎこちない再会をしたのもカナケン。その時の記憶が一番色濃い。俺が楽屋にいると直太朗が顔を出して「来たんだ?」「お、おう」みたいなやりとりをした。でもって今回のカナケンは、友部さんが来た。地元横浜ってことでゲスト出演してくれることになったんだけど、こないだ渋谷にライブを見に行ったときに直太朗が誘った。で、それを俺が預かって「こんな風に出てもらおう」って決めてスタッフに伝えたのに、すっかり今日って忘れてて会場に着く頃には友部さんとユミさんが既にいた。大きなサングラスをかけて舞台に入ってくる友部さんは30周年記念ライブの時のディランみたいだったな。自分たちの実力や思いみたいなものが少し大きくなったのか、今までのカナケンで一番いい夜だった。カナケンの思い出は見事に塗り替えられた。