人間の森、京都公演。ロームシアターにて。旧、京都会館。会場全体がスクエアの囲み木目調で、プロセ(額縁)が段々になっていて、黒が締まっている。今回の舞台を組むためみたいだし、美術そのものが常設にも見える。スモークの溜まり方も自然で、やっぱり、見るときに何も考えなくなるってのは、コンサート美術としてはある種の理想だ。前回の釧路で変な跳ね方をしたことを受けて、ややロス感があったのは否めず立ち上がりが遅かった。京都っぽいって言う意見もあったけど、俺はその物言いを基本信じてない。例えば震災のあった年の福島公演とかはものすごく熱かったし、東京でやるときも、回によってその雰囲気は違う。今日の京都がはんなりしていたのは、純粋に今日のメンツと今日のテンションだったからで、地域ごとにノリを語れるほど、生態系が違うとはとても思えないのだ。見ようによっては腰の座った良い内容だったんだけど、全体を通してみるとやや盛り上がりかけて緩慢だった。終演後も直太朗とそのことをけっこう話した。本当にいろんな要素が積み重なってライブはその日にしかない様相になる。長いツアーには相応の精神力がいるな。当たり前か。