家を空けることが多いから、家にいる時、子供の朝の支度と送りと夜の寝かしつけやっている。これで家を空けやすくなるかと思うとそうでもなくて、有希子からしたら俺が家にいれば朝寝られるってことが常態化してしまうようで、いつからいつまで家を空けるって話すとあからさまに嫌そうな顔をされる。特に締め切りが迫った時の有希子はほんとに視野が狭くなって、感謝とか労りとか周囲への思いやりの類が霧消する。同じ、物書きでも俺は逆で、そこ知れぬ感謝とかが高まると自然と書ける(気がする)。だからこんな時期はできるだけ家に近づきたくないけど、後でまとめてくる負のエネルギーにあてられるくらいならちょっとづつの方がマシだと思って、何食わぬ顔をして日課をこなしている。果(息子)を送った後のコーヒースタンドでカフェオレを飲みながら、詩が書けるのを待っている。