今日は、家族もいない、予定もない、ぼんやりとした土曜日。何にも束縛されていない今日みたいな日は己の真価が試される。昼前に自然に目が覚め、ふらりと雀荘へ出かけた。しばらく打っていて、同卓したおじさんの粘着質な点棒の支払い方が気にかかり、成績も冴えず、早々に店を後にして「アルバムのことで相談が」と口実に直太朗の家へ押しかけようと電話するも山にいるらしく断念、一人ラーメンを食べ、本屋で立ち読みと購入をし、お茶をしながら読み、すぐに飽きて会社へ来、風呂に入る。ところで、今日、渋谷の街を自転車で徘徊している時、ぽかんと開けた口の中に入って来た空気の味と感触、あれはやはり詩だったのじゃないかと今になり思い返している。まだ言葉にはならないけど、あの空気を再現する日が近いうちに訪れるだろう。あらゆることが他人事のように見える今日みたいな日、生きているということがずっとある。