一ヶ月近い北海道の滞在も今日が最終日。来て早々に組み立てたキャンバスに下塗りだけしてあった大判のパネルにいよいよ筆を下ろした。実際の感覚だと、まだまだそこに描くところまで至っていなかったけど、明後日のJERSEY EIGHTのことを考えたら今日やらないわけにはいかなかった。この夏はずっと絵を描いていたこともあって、ことの他いい感じで絵具が乗ったから少し安心した。夕方おとんが暇そうにしてたから「ちょっと練習行きますか?」とパークゴルフに誘ってみたら「え!いいの?」みたいなリアクションをされて、表情から嬉しさが伝わってきた。俺も体を動かしたかったから全然気を使ったわけでもなく、逆に一番気を使わずに誘えるのがおとん(義父)だっただけで、タカシは部屋で仕事をしていたから二人でこっそり山の家をでた。日暮れ間近だったからやってるか微妙だったけど、行ったらまだやってて、それぞれのスコアはあまり気にせず、課題に向き合えた。おとんと二人で何かに向き合ったのは実家のイチジクの根っこを抜いた時以来な気がした。夕日があの世かと思うくらい優しくパークグランド場を照らしていた。